【噛み癖】プロが教えるしつけアドバイス

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誰もが噛む犬を重要な問題ととらえ、すぐ直したいと考えますが、完全に矯正が成功するには六週間あるいはそれ以上かかります。

真の解決はまず、あなたの犬がなぜ人を噛むかを知ることからはじまります。
驚いたからですか？そうなら、何に驚いて、またどれぐらい前からですか？

それとも、犬が脅かされたと感じたのでしょうか？では何が脅されたのでしょう？縄張りですか？自分の肉体、あるいは自尊心でしょうか？
もし、これらの質問に答えられたら、すでに矯正を行う最初の段階ははじまっています。

もし、あなたの犬が本当に自分が傷つけられると思って噛み、通常は幸せで、あなたの機嫌のよい時に尻尾を振っているような性格であるなら、正しい矯正計画を実施すれば六週間程度で問題が解決されます。
ところがもし、その犬がむずかしく、幸せな時でも尻尾を振ろうともしない性格なら、矯正により多くの時間と手間がかかります。

矯正方法

問題の起きた一番最初の原因を家族間で話し合う。
撫でる前に必ず「お坐り」とか簡単な命令を実行させる。
長い間撫でてはいけない（この行為は人間との関係において、犬を自己本位にしてしまう。
そして他の人が来て、この自己本位な状況が乱されることに犬は敵意を抱くようになる。）
「お祭り騒ぎ療法」の種を探し、緊張が発生した時に使用する。
徐々に、注意深く、噛む状態がなくなるまで矯正を行う。
もし犬が全然尻尾も振らず楽しそうにしないのなら、この矯正をする前にまず「お祭り騒ぎ」の種を探さなければならない。
できれば「お祭り騒ぎ療法」を毎日実施する。出来なければ可能なかぎり回数を多く。毎日行えない場合は結果をみるまでに時間がかかる。

噛むことの矯正

噛む問題がどういった種類のものにせよ、その矯正は犬だけに行われるべきものではありません。犬の周囲の状況、つまりあなたおよび家族の犬に対する態度を変えることが重要なのです。
まず始めに家族全員が集まり、一番最初に犬がみせた臆病な、あるいはでしゃばったり、人を見下すような態度をとったのはいつか話し合って下さい。次に家族の人がそれに対してどういう方法を取ったかも。

もし、犬が臆病であったとしたら、撫でたりして同情的な態度をとり、犬を安心させようとしませんでしたか？もしそうだとするなら、あなたのやった行為は犬に対して、「何か怖いことが実際あるのだ」と明示しているようなものです。言いかえればあなたのやり方は間違っていたのです。

また逆に、犬を叱ったり罰したりしませんでしたか？もしそうなら、これも間違っているのです。というのは犬はこの種の罰から受ける嫌な思いを、恐れている、あるいは攻撃しようとしている人間と結びつけることが非常に多いからです。そうすれば犬は、これらの人が訪問したり近づいたりすると、怖がったり意地が悪くなったりします。

防御反応

細かい矯正方法をお話しする前に、犬における防御反応のいくつかのタイプを説明しましょう。犬は何か脅威を感じた時、次の三つの態度のいずれかを示します。すなわち「前進して攻撃」「逃げて遠ざかる」「釘づけになって動かない」の三つです。これらの反応は犬が本当に脅威を感じないと発生しません。

自分の本来の防御行動を偽り、時に違った行動をする犬が多数あるように見受けます。例えば、家族以外の人に対し物すごく意地の悪い犬が、家族から手ひどく罰されても従属的な態度をとるのを何度もみています。これと全く逆に、別の犬は、家族だけに噛みつき他の人には従属的態度を示す例も見られるのです。このようなことが起きるのは、その場合により、犬がどう感じるかによるのです。人間と犬との相互関係の99%はおそらく、この「感じ方」と「感情」で支配されており、理性の入り込余地はほとんどありません。

さて、噛む行動を起こさせるのは「感情」ですから、いわゆる訓練（ある命令に応える犬にすること）は問題の核心に触れることができません。しかし、あなたと家族が「お坐りさせてから撫でる」方法を行えば、犬に撫でてもらうために何かの役割を果たせることになります。別の言葉で言えば、飼い主をリーダーに導くことになるのです。

他の原因

犬が人を噛む他の理由として、噛まれる人に原因のある場合もしばしばみかけます。私はよく「その人は何回、また、どれだけの犬に今まで噛まれましたか」と聞いてみます。相当の場合、ある人たちは何度も犬に噛まれる傾向があるのです。無意識のうちに、この人たちは犬を恐れ、あるいはそれに対して敵意を抱いており、それが犬に悪い影響を与えるのです。

また、電信柱のように突っ立っているのもよくありません。犬の王国では、不動の姿勢をとること（特に最初に出会った時）は攻撃の前触れなのです。
次の犠牲者は犬の目をじーっとみつめる人たちです。結果として、犬は脅かされていると考え攻撃に移ります。これ以外に、犬の真正面から早すぎる歩度で近づく人もいるし、キスをするため犬の首や頭をつかむ人もいます。
特に子供が、犬の廻りをヒステリックな声をあげて走り回ると犬が追いかけ、噛む動機をつくってしまいます。また、犬の耳に息を吹き込んだり、悪ふざけをして噛まれる人もいます。

いずれにせよ噛まれた人を責めるわけにはいきませんから、犬の方にこのような状況を我慢させるか、人が犬に対してどう振舞うかを学ばせなければなりません。
犬と悪ふざけする人にはよう説明をして、そういうことをしないでもらうのです。それが駄目ならその人が来る三十分前に犬を別のところに移しましょう。一番よいのはそういう人を家に呼ばないことです。
毛が目の前に垂れ下がっている犬はよく噛む傾向があります。そういう場合は、毛を頭の上にかき上げて止めるか、切ってしまいましょう。この種の犬の目が太陽光線にあたると視力を失う、というのは迷信です。